「リッチな選択」たる高額商品と，それを華麗に代替する「クールな選択」を挙げていく「企画: リッチな選択とクールな選択」．今回のお題は デジタルメディア 関係だ．部門としては２つあり，Amazon インスタント・ビデオというダウンロード・ストリーミングで視聴可能なビデオデータの部門と，デジタルミュージックというこちらも，ダウンロード・ストリーミングで楽しめる音楽データの部門となる．さて，まずは表に書いたヒントから，リッチとクールを予想してみてほしい．
| 部門 | リッチな選択 | リッチな価格 | クールな選択 | クールな価格 |
|---|---|---|---|---|
| Amazon インスタント・ビデオ |
とある地味っぽいビデオ | 6,588円 | ? | ?円 |
| デジタルミュージック | 多分音楽じゃない何か | 2,490円 | ? | ?円 |
お約束：本記事は，また当ブログのほかの記事も，あくまで筆者個人の意見・感想・体験等を記したものであり，特に何かを奨励したり非難したりする意図はないので念のため．
予想して頂けただろうか？では，行ってみよう．
1. Amazon インスタント・ビデオ 部門
【リッチな選択】 6,588円「２０１３年版管理業務主任者ＤＶＤ講座１」
住宅新報社, 再生時間：10 時間 25 分
管理業務主任者(wikipediaの記事)は，マンション管理に関する国家資格だ．同じく国家資格であるマンション管理士と試験範囲の重なりは大きいが，マンション管理士より難易度は低いようだ．この資格で独立開業するという類ではなく，管理会社等に勤務するのが一般的らしい．リッチな選択となったが，リッチであれば資格を自分で取るより資格者を雇用して頂きたいところ．まあたまたま自分で資格を取りたかった，ということにしておこう．
本講座ビデオは２(再生時間7時間32分)まで出ていて，合わせて約18時間となる．一方，資格予備校のTAC の講座では週2回の講義を3～5ヶ月という目安でスタンダードコースが設定されている．双方のカバー範囲は各位お調べ願いたいが，自分の好きなペースやタイミングで講義を受けられるという意味でインスタント・ビデオは便利だろう．
しかしこの類の地味な（失礼）ビデオが最高額とは， 意外意外．
(2013-05-15)
売り上げランキング: 24,201
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【クールな選択】 2,376円
「平成26年版 楽学マンション管理士・管理業務主任者 要点整理」(書籍)
住宅新報社
重なりの大きい資格は同時に取るのがクールである．本書は，上記ビデオと同じ住宅新報社による，資格ダブルゲットを目指す人向けの一冊だ．資格学習本は，なるべく最新の状況に沿ったものがよいだろうから，古本は参考にするにしても今年度版でチェックをするのは忘れないようにしたい．
住宅新報社
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2.デジタルミュージック 部門
【リッチな選択】 2,490円「Alternate Futures」
Anne Jirsch, Seraphim Lifeworks, 再生時間： 23:40
サンプルを聴いてみたが，何やら人生的なことについて語っているようである．もちろん，音楽ではない．サンプルの範囲内ではBGMもなく，シンプルに語りのみである．少し検索してみたところ，未来の意識にアクセスして云々という話らしい．まあともかく，これが部門最高額だったわけですよ．
Seraphim Lifeworks (2013-09-11)
【クールな選択】 720円
「芝浜」
五代目三遊亭圓楽，NHKサービスセンター, 再生時間： 39:33
語りの技と言えばまず落語である．夢を材とする落語は数多あるが，有名な演目であり，また夢の使い方の点でも秀逸と言えばこの芝浜ではないだろうか．オチの味わいのよさといったら，これ一本で落語ファンになるのに十分である．果たして自分にも魚屋の勝と同じセリフが言えるだろうか？と想像してみるのも一興．落語というのはまず第一義的に楽しいものであって，それが最も重要であって，その中ににじむ何かが人生の糧になったりならなかったりする，そしてそれはどうでもいいっちゃどうでもいい，この塩梅にも妙があろう，などと筆者は思っている．なおこの芝浜，上記リッチ選択のタイトルを持ってきても結構あてはまると思ったのも挙げてみた一因である．
ここでは，カテゴリにのっとって，同じ amazon のデジタルミュージック部門から探した．見つかったのは故・圓楽の芝浜だ．故・圓楽と言えば，笑点の司会としてなじみ深い．圓楽の名は楽太郎が，笑点の司会は歌丸が継いだ．故・圓楽の引退前最後の演目がこの芝浜だったが，この芝浜がいつ演じられた芝浜かは筆者未確認．
youtube あたりで芝浜を検索すると，名人たちの名演がたくさん見つかる．何度聞いてもよいものだ．音声だけでも楽しめるので，ぜひぜひ．
【クールな選択その２】 400円
「クリスマス・キャロル」
チャールズ・ディケンズ著，村岡花子訳，新潮社
この流れでこの名作は外せないだろう．スクルージ！主人公がすでに老人だという点は，芝浜とは好対照ではないだろうか．名作だけあって翻訳も多いが（名古屋大学松岡教授のページが参考になる），朝ドラ「花子とアン」も放送していることだし，ここでは村岡花子訳の本を挙げておこう．ちなみに筆者は青空文庫で読んでいる真っ最中で，そちらは森田草平訳である．
もう少し推し進めると，ケン・グリムウッドの「リプレイ」のように，やり直しループ系という路線もある．この路線は，日本のゲーム，とくにアドベンチャー系やノベル系においても採用例が多くみられるが，ネタバレになりかねないので作品名は挙げられない．ゲームなどでは，最終的に一つに確定するしかない現実の切実性が要であるように思う．「クリスマス・キャロル」は1843年，「リプレイ」は1987年の作ということである．
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今回の結果：
| 部門 | リッチな選択 | リッチな価格 | クールな選択 | クールな価格 |
|---|---|---|---|---|
| Amazon インスタント・ビデオ |
２０１３年版管理業務主任者ＤＶＤ講座１ | 6,588円 | 学習用書籍 | 2,376円 |
| デジタルミュージック | Alternate Futures | 2,490円 | 落語 | 720円 |
いかがだっただろう．是非皆さんも「自分の選択」を作ってみていただきたい．
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恒例の（？）編集後記
Amazon インスタント・ビデオ部門とデジタルミュージック部門はまだ商品網羅性が低いのか，高額と言っても金額も商品も割と意外だった印象だ．最近の映画を網羅してもあまり高額のものはないようだ．昔はアニメ映画VHS一本で1万円超とか普通だったのにね．どうせなら，ありがたーいお話のビデオなり音声なりならものすごい値段でやったらどうかと思うが，ありがたがらせる趣旨ではないのか，それともネット上のマーケットでは競争原理がはたらくのだろうか．ありがたい壺の高額伝説などとは事情が違うのかもしれない．
高額商品も，本当にリッチっぽい商品ならスタンスもわかりやすいが，そうでない場合，リッチな人がこれを買うとすると～などの想定を始めてしまったりして，商品ごとにスタンスがぶれることがわかった．わかってないで統一しろって？うーん，気が向いたらね．
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