CASIO の小型キーボード SA-76 (CASIOの商品ページは
こちら) を妻に買った. キーボードと言っても,ピアノのように演奏する方のいわゆる電子キーボードだ.妻はたいそうゴキゲンに弾いている.
このキーボードの電源は,電池かACアダプタだ.今回は,ACアダプタの標準付属しないこのキーボードを,
純正品より安くてコンパクトな市販のACアダプタで使ってみようという記事だ.
※お約束の注意書き:うちでは無事に動きましたが,
試すのは自己責任でお願いします.
カシオ (2010-05-20)
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先にモノを挙げておくと,見つけたのは
だ.ACアダプタ本体の価格は数百円程度と安く,送料を入れても純正より安いだろう.
純正ACアダプタ
AD-E95100LJ はカシオのキーボード
LK-218,
LK-118,
WK-220,
CTK-4200,
CTK-2200,
CTK-240,
SA-76,
SA-46 の間で共通のようなので,該当機種の方もご参考までに.弾く先々にACアダプタがあると,とても楽ですよ.なお,SA-76とSA-46だけACアダプタが標準付属しない.コストダウンの嵐か.
では,詳細をば.
定価約1万円,実売約5~6千円とお手頃な
SA-76 だが,要注意なのは,
ACアダプタが別売りという点だ.ACアダプタは単体で実売約2千円前後と,本体に比べてそれなりにはする.バッテリで何日もがんがん演奏できるわけでもないので,実際上ACアダプタは必須と言ってよいだろう.つまり,
このキーボードを買うときは,ACアダプタをセットで買うべし,なのである.純正アダプタの場合は, 本体と合わせて Amazon で7千円前後だ.ちなみに,本記事で記載の価格はすべて執筆時点の筆者調べなのであしからず.購入の際は,各位で販売店等に確認されたし.
この純正ACアダプタ
AD-E95100LJ は,ごつい本体からコンセントが直接生えている形なので,タップにつなぐと隣の口を塞いで邪魔をしがちだ.邪魔にならないようにするには,
短い延長コードを買っておくとよい.
エレコム (2013-02-16)
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ところでこのACアダプタ, 大きさと重さから察するに( web 上でもごついだの重いだのという書き込みを見かけるが ),いわゆる古典的な安定化方式のリニアACアダプタ(トランスがどーんとあるタイプ)だと思われる.問題というほどではないが,
ごつくて重くて若干取り回しが悪いのが気にはなる.あと,それなりに発熱する.
ACアダプタは,最近は
コンパクトで安価なスイッチング方式のものも増えている.もしスイッチング電源でも変なノイズがのらずに動くのなら,ぜひ試してみたいところである.ラジオなど,高周波から変調して可聴帯域を取り出すようなものだと,スイッチングのノイズが可聴帯域にやってきてしまうが,このキーボードなら大丈夫と予想したわけだ.
ただし,純正以外のACアダプタの使用ですので,試すのは自己責任でお願いします.筆者は一切の責任を負いません.お約束の注意書きでした.
まずは規格のチェックから.
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CASIO 純正 ACアダプタ AD-E95100LJ. そこそこごつい.出力 DC 9.5V, 1.0A, 8.4W とある.プラグはセンター+の EIAJ No.3 (4.75mm/1.7mm). |
純正アダプタの出力は DC 9.5V / 1.0A である.市販の AC アダプタだと,9.5V というのはちょっとマイナーな印象で,9V のものは豊富にある.バッテリは単三を6本直列だから,9V 前後.であるなら,おそらく AC アダプタの DC 出力が 9V でも動くと見た.AC アダプタの DC プラグは,外径4.75mm/内径1.7mm, いわゆる
EIAJ-03[*] に準拠しているようだ.ACアダプタのDC出力電圧は9.5Vだから,規格上これは正しい.
[*] JEITA 3 ということもあるらしい.EIAJ は合併して JEITA になったとかいう話.
メーカー記載の仕様によると, 消費電力は 3.8W. つまり 9.5V なら 0.4A, 9V なら 0.42A 程度になる.純正アダプタは大分余裕を持っていることになる.ここは純正アダプタ同様,余裕を見て 9W ( 9.5V なら 0.95A, 9V なら 1.0A) 程度の供給が可能なものを選んでおけばまあ大丈夫だろう.
要するに,
出力電圧 DC9~9.5V,出力電流 DC 約1A以上,出力プラグ EIAJ(JEITA) #3 = 4.75mm/1.75mm の,スイッチングACアダプタを探せばよいだろう.
ということなのだが,恥ずかしながら筆者はDCプラグの確認を
間違ってしまい,
5.5×2.1mmプラグのアダプタを買ってしまった.プラグこそ適合しないが,このアダプタ自体は安いし小さいし軽いしいいものと思う.後述のように,
変換プラグを使えばばっちり動作したので,実績があるものを使いたい方は変換プラグと併用でどうぞ(くれぐれも自己責任ですからね~).
5.5x2.1メス→4.75x1.7オスの変換プラグさえあれば接続できるはず.これも同じ店(おなじみデンシ電気店)で扱っているのが見つかった.
まとめて買えば,送料も圧縮できるだろう.変換アダプタが入ると取り回しは少し悪くなるが,純正品より価格は安く上がる.変換アダプタは2個セットなので,もし家の中で2か所くらいで弾くというパターンなら,
「ACアダプタ×2+変換アダプタ2個セット×1」でまとめ買いしておくと便利.純正品とほぼ同価格で,よりコンパクトなアダプタが2個手に入ってしまうのだ.
とまあ今回も筆者の確認不足により変換アダプタを買うことになってしまったが,
一発で行けるタイプのACアダプターを探したところ,
こちらを見つけた.というか,これ以外まだ見つけられていない.未購入だが,試してみる価値はありそう.上記アダプタと同じくスイッチング方式だし,まともそうな雰囲気なので,おそらく問題なく動くだろう.(でも,試すなら自己責任でね!)。
出力 DC9V / 1.3A (安定化), 4.75/1.7mm の EIAJ3 DC出力プラグ.小さく軽く値段も安い.送料を考えると,購入時は何らかのまとめ買いのほうがお得かもしれない.
さて,ACアダプタと変換アダプタが届いたので,早速つないでみた.
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キーボード側.変換プラグが入るのがややもっさりだが,ぴったり適合する. |
電源はあっさり入り,スピーカーで聞いてもおかしなノイズはないようだ.ヘッドホンで聞いても問題なし.長期的影響はまだわからないが,
とりあえず大成功!
非常にコンパクトになった.
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左がスイッチングACアダプタ,右が純正ACアダプタ.体積は何倍かってくらい違う. |
~純正ACアダプタとスイッチングACアダプタの主観的音質比較~
筆者の感想では,なんとなーくスイッチングアダプタの方が音の立ち上がりがいいような.ただ,聞き分ける自信は無し.妻の感想では,僅かではあるが確かに違っていて,純正の方がいわば鼻詰まってるような,スイッチングの方が鼻が通っているような感じがするそうだ.こっちがふぁーんでそっちがふぁーん,とのこと.と言葉で書いてもなんだが.なお,妻は簡易ブラインドテストでどちらのアダプタか当てていた.
まだ30分も試していない時点での感想です.長期的な感想はそのうちアップするかも.
それにしてもこのブログ,acアダプタばかり試している気がしてきた.
~まとめ~
SA-76 等の CASIO キーボードの AC アダプタについて,以下のいずれかをお勧めする.
なお,純正品以外の使用は自己責任でお願いします.
上記アダプタ等は,SA-76 の他,
LK-218,
LK-118,
WK-220,
CTK-4200,
CTK-2200,
CTK-240,
SA-46 でも共通に動作すると思われる.
~ご注意~
ACアダプタ方式の解説ページは,
iconia w700 の記事の末尾にも挙げたが,追加で以下のページを挙げておく.
電圧電流等の数字が同じでもつないでいいとは限らない,ということを理解するのがまず重要.
~余談~
オーディオ機器では電源はとても重要視され,高級アンプなどではウルトラ巨大な電源部を備えるものも多い.あるいは,電源部が別筐体になっていたりもする.最近の機器の小型化・一体化の傾向と真逆なのが面白い.
さらに突き詰めると,交流から変換して直流を作るのではなく,もともと直流のバッテリー電源に行き着く.比較的電力消費の少なめな機器ではそれが可能で,昔 Technics がバッテリ電源のプリアンプを出していた.
Technics SU-C7000 - オーディオの足跡
SU-C3000, SU-C1000 等の姉妹機も何種かある.探すとしたら中古市場だろう.だが,入手できてもバッテリーをどうにかする必要があるだろうから,ハードルの高い機種と言えそうだ.